災害救助犬、盲導犬、介助犬…「人のために働く」すべての犬に共通する1番大事な事③

現代ビジネスより

楽しいから効果があがる

犬がやりたくないということを無理にやらせても、定着はしない。犬が楽しんでいるからこそ、継続して訓練ができ、現場で成果をあげられる。photo by istock

 以前「日本救助犬協会」の依頼を受け、訓練の効果を上げるための講演をしたことがあります。目的や意味を明確にする、うまくいかなくても、決して罰は与えないなどいくつかお伝えしましたが、協会側の最大の関心は「どうしたら犬が楽しみながら、効率よくトレーニングできるか」でした。

 犬がやりたくないということを無理にやらせても、定着はしません。こんなところも人間と一緒だと思いませんか? 職業使役犬として活躍している犬は、それまでの訓練を楽しくやってきているのです。楽しく学べたからこその成果です。

犬が訓練を楽しく受けられる、仕事中は我慢することがあっても、終われば褒められて嬉しくなる。それが、「人のために働く」犬と人間の関係をよりよいものにするものだと思います。

 ◇犬が楽しんで訓練を受けられれば、訓練に対して積極的になり、結果定着率が上がって効果も上がる。

訓練には2~3年かかることが多く、楽しくなければ犬も続かないのだと、日本救助犬協会は話す。

こうした期間を経て、難しい資格認定試験に合格しても、要請を受けられる「登録」を希望する飼い主は、1/4に過ぎない。

経済的な補助は、消防署からの要請以外は協会からの自主的なサポートしかなく、それでは救助活動にかかる費用全般はとても賄えない。結果、飼い主の自己負担が増える。

 だが理由はそれだけではない。

被災地でのあまりの悲惨さに、飼い主が精神的なダメージを受け、活動を全うできなくなってしまうことがあるというのだ。

日本救助犬協会では、犬の訓練とともに、飼い主のハンドラーとしての訓練も行っているが、被災地の現実を目の当たりにする飼い主の精神的負担はあまりに大きいという。

NPO法人 補助犬とくしま

特定非営利活動法人(NPO法人)補助犬とくしまは、徳島県の身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)の育成と普及啓発を促進する事業を行い、障がい者福祉の向上のための活動を行なっています。

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