設立のご挨拶

理事長 杉井ひとみ

「盲導犬はかわいそう」と言われるのが一番辛い。

2015年、バックしてきたトラックに轢かれ、盲導犬ヴァルデスとともに命を落とした山橋衛二さんの言葉です。私は20年間、山橋さんと一緒に啓発活動を続けてきました。あの事故で山橋さんから二つの課題を与えられたように思います。

ひとつは補助犬をご理解いただき、その深い絆を知っていただくこと。

補助犬が寄り添うことで癒され、強く生きる人たちを見てきました。補助犬は障害のある人のために犠牲になっているイメージが強いのですが、それは間違いです。普段はペット達とまったく同じ生活をしています。盲導犬の場合、外出の時だけパートナーと協働で道路状況を判断しながら歩いているのです。一方的に働かせているのでは信頼関係が築けず、一歩も前に進めません。それどころか置き去りにして何処かに行ってしまうかもしれません。補助犬について正しくご理解いただき、受け入れられる社会を目指します。

もうひとつは、事故の一因でもあったトラックのバックする音を義務化にする活動。

事故は風化しつつあります。徳島県では、車両後退時の警告音使用義務が全国初の条例となりました。しかし、そのことを忘れられたかのように、街からバックを知らせる音が消えています。これ以上、交通弱者が事故に遭わないように、仲間を失った私たちが安全対策を求めるよう要望していきます。

当法人は、補助犬パートナーとサポーターが、補助犬の活躍しやすい環境作りのために発足しました。皆さんの熱い思いと、山橋衛二氏の遺志を多くの方に伝えるよう誠心誠意努力し、徳島県における補助犬の育成、啓発、発展に貢献していきたいと思います。

どうか、これからの活動にお力添えくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

令和元年6月吉日

NPO法人 補助犬とくしま

特定非営利活動法人(NPO法人)補助犬とくしまは、徳島県の身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)の育成と普及啓発を促進する事業を行い、障がい者福祉の向上のための活動を行なっています。