八千草 薫さん似の上品で優しい方でした。
関東弁でゆっくりお話をされるので、とても優雅で素敵な方でした。
久子さんと出会ったのは、20年以上も前になります。
当時、ボランティアの活動拠点を探していましたが、犬が出入りするため、なかなか物件が見つかりませんでした。
そんな中、快く迎えてくださった大家さんが久子さんです。
お正月明けに初めて出勤すると、かわいい正月飾りがしてあり、お茶とお菓子を出してくださりご挨拶をしました。
「私もボランティアをしてみたいのだけど、何かできることがあるかしら?」
編み物がお得意ということで、早速編みぐるみのチャリティグッズを、まさに編み出してくださいました。
久子さんの笑顔がそのまま作品になったようで、一躍人気のチャリティグッズになりました。
当時の久子さんは70代で参加者の中で1番のお姉様でした。
所属したグループは全員が女性で、孔子の教えを守る年功序列。
長年、参加していても年長さんが仲間入りすると、その日から上座に座り、お菓子はお姉様から順番にお好みを取っていただくのです。
久子さんにお勧めすると、いつも「あらそう?じゃ遠慮なく…」とはにかんでにっこり
月に一度のボランティア日は、朝から集まるのでお昼にはお得意の料理でもてなしていただきました。
毎回作ってくださった美味しいお赤飯が忘れられません。
その日は帰宅が遅くなる私を気遣い、いつもパック入りのお赤飯を持たせてくださいました。
「ご家族の方に少しずつ食べてもらったら、あわててご飯を作らなくてもいいでしょ」
私は、遠くに住む母を思い出し…
久子さんは、遠くに住む娘さんを思い…
私は特別に思いやりの温かい気持ちをいただきました。
いつも「久子さんのように歳を重ねていきたいね」と話していました。
皆さんに生き方の指針を示していただいていたのに
訃報を聞いて戸惑ってしまいました。
いつか、またお目にかかる日が来ると信じていたのに
お別れは、ボランティア仲間みんなで送りたかった。
たくさんのお礼を伝えたかった。
生まれ変わっても、また同じメンバーで出会たいです。
「前世は江戸時代で同じ長屋のおかみさん達だったかもねぇ」なんて大笑いしたのを覚えていますか。
次はどんな出会い方でしょうか。
また先に生まれて、私たちを引き寄せてくださいね。楽しみにしています。
それまでずっとすっと見守ってくださいね。
杉井ひとみ
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