公益財団法人 東京獣医師会より、補助犬を同伴してオリンピック・パラリンピックへ参加予定の方へ日本の暑さについてメッセージを出されています。国内の参加者や私たちも参考になります。
以下原文のまま
補助犬を同伴し来日を予定している選手・関係者の皆様へ
補助犬を同伴して来日しようと考えている皆様、東京の夏の暑さには十分注意してください。
日本の冷房機器メーカーが、2020年東京オリンピック開催にむけ、東京在住の外国人 150 名を対象に実施した暑さに関する調査では、ほぼ全員が東京の夏を「暑い」と感じ、その半数が「耐えられないくらい暑い」と感じています。また、8割が「来日前に想像した以上に暑くて驚いた」と感じていて、そのうちの9割が湿度を理由だと答えています。
特に都心部ではビル群の冷房機器から放出される熱や、道路のアスファルトやビルのコンクリートが熱を蓄積することにより、ヒートアイランド現象が起こり、天気予報が示す温度よりも体感温度が上がる傾向にあるので注意が必要です。
また気温が30℃の時アスファルトの路面温度は55℃になると言われています。
2019年8月19日の東京都内の最高気温は35.6℃。都心の体感温度は36℃を超えていたと考えられています。
このような暑さの中、人より低い位置にいて、靴を履いていない補助犬にとっては、路面からの反射熱による熱中症や、脚の裏のパッドの火傷等、健康障害を引き起こす可能性が十分考えられる環境です。
さらに高湿度な気候は、皮膚炎や外耳炎などを悪化させる可能性もあります。
また、犬は体温を下げるためにパンティングをしますが、湿度が高いとパンティングをしても唾液が蒸発せず、体温を下げる効果がありません。犬の体温が41℃以上になると命にかかわってきてしまいます。
特に日本より気温・湿度が低い国から入国した場合には、環境の変化の影響は大きいでしょう。
なお、黒い被毛の補助犬は日光を吸収するため、更に熱中症のリスクが上がります。
したがって、獣医学的には無防備の状態での日中の移動はお勧めできません。
やむを得ず活動しなければいけない場合には、冷たい飲料水、冷却ウエア、パッドを保護する靴等の準備は必須です。
2019年7月にはイギリスケンブリッジで38.7℃を記録し、フランスやドイツ、オランダでは最高気温が40℃を超えるなど、異常気象による被害が続いています。
来日の際に補助犬を同伴するかどうか、慎重にご検討ください。
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