ミシガン州で補助犬“失格”のらく印押された犬が…テキサス州の最優秀「放火探知犬」に

出典:日刊ゲンダイdigital

「捨てる神あれば拾う神あり」とはまさにこのこと。

 ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーの雑種犬「シェルドン」(写真)は以前、米ミシガン州ウェイランドにある身体障害者補助犬(盲導犬・聴導犬・介助犬の総称)の育成所で訓練を受けたが……残念ながら「不適格」のらく印を押されてしまった。

人(犬?)一倍、嗅覚が敏感なシェルドンは、興味のあるニオイを嗅ぐと、介護対象への興味を失い、ニオイの原因を探り出すことに夢中になってしまうからだ。

 補助犬としては致命的な欠点に注目したのが、消防関係者。シェルドンの敏感な嗅覚は放火の原因となる物質を探し出す「放火探知犬」に最適なのではないか?

 そこでシェルドンを、保険会社「ステートファーム保険」の放火探知犬プログラムに入れたところ、才能が開花! 最優秀の成績で卒業し、テキサス州のサギノー消防署に放火探知犬として採用された。

 シェルドンのデビューは、自動車販売店で起きた車の放火事件だった。シェルドンが投入されたのは事件から3日後のこと。放火の方法が分からずにお手上げ状態だったが、シェルドンは現場に着いてわずか30秒で、車の残骸のある場所で吠え始めた。残骸の下には放火に使われた火炎瓶の一部が埋まっていたのだ。

 シェルドンは、同署のジョン・タドロック副隊長の家で家族と共に暮らしている。今は日夜、さらに優秀な放火探知犬になるためにジョンさんと訓練に励んでおり、引退後も一生ジョンさんの家で飼われるという。

 シェルドンのエピソードは5月18日、ステートファーム保険の放火探知犬プログラムのフェイスブックで紹介された。

 ひとつのことに失敗しても悲観することはない。失敗の原因となった資質が別の環境では輝くかもしれない……シェルドンの失敗と成功の物語は「人間にも当てはまる」と話題になっている。

NPO法人 補助犬とくしま

特定非営利活動法人(NPO法人)補助犬とくしまは、徳島県の身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)の育成と普及啓発を促進する事業を行い、障がい者福祉の向上のための活動を行なっています。

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