追悼の言葉

洋子さんが1月25日ご逝去されました。
訃報を受け、深い悲しみと喪失感に包まれています。
25年にわたり、私たちのボランティア活動の中心として、多くの熱意と、温かい愛情と優しさを注ぎ続けてこられました。その功績は計り知れないものがあります。

コロナが猛威を振るい始めた頃、突然、治る見込みのない病になったと打ち明けられました。病気については誰にも知らせず静かに闘病し、密かに終活を進めていきたいとのことでした。最後まで自分らしく生き抜かれたその強さに深く敬意を表します。昨秋にお会いした時、皆様に秘密にしていたことをお詫びしたいと願っておられたことをお伝えします。
その凛とした生き方をお手本にしたいと心から思いました。

洋子さんがこのボランティアを始められたのは、ご自身の視力に不安があることから、視覚障がいの方のお力になればとの思いと、犬が大好きなので盲導犬のパピーウォーカーとして関わりたいとの思いからだそうです。彼女が育てた子犬は14頭。パートナーとなる視覚障がいのある方が困らないように子犬のしつけは真摯に向き合い、愛情を惜しみなくそそぎ、すべて立派な盲導犬候補に育てられました。


洋子さんは、まるで春の日差しのような優しい方でした。誠実で真面目で…意外なことにお笑いが大好きで、笑うツボが同じで、オチのツボも心得ておられました。毎週1回ボランティア仲間が集まりパピーたちを遊ばせ、ボランティアをして…おしゃべりをして…大笑いをしてまるで姉妹のような存在でした。そして、いつも、そばで応援していただきました。

補助犬とくしまを立ち上げる時、その活動が障がいのある方のお役に立てるのであればと、信頼して全面的にサポートしていただきました。個人的にも事業を立ち上げる時、犬育てのキャリアをいかしてお手伝いをしていただきました。闘病中でも体調の良い時、啓発リーフレットのスタンプを最期まで続けてくださいました。私が苦しい時、しんどい時、いつもそばにいて励ましていただきました。その存在がどれほど心の支えになっていたかを、改めて感じています。洋子さんが残されたもの、その優しさも、情熱も、そしてやり遂げられなかった活動も、私たちが引き継がなければならないものです。これまで築いてこられた思いをこれからも支え合いながら前に進んでいきます。

洋子さん、先に見送ったわんちゃんたちは虹の橋のたもとで迎えてくれましたか?

小さい頃からのペットたちも含めたら、たくさんのわんちゃんたちで寂しくないかな?

どうか安らかにお休みください。
そして、これからの私たちの歩みを、温かく見守っていてください。

いつかまた、そちらで会えるのを楽しみにしています。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。


偲びつつ感謝を込めて

杉井 ひとみ

NPO法人 補助犬とくしま

特定非営利活動法人(NPO法人)補助犬とくしまは、徳島県の身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)の育成と普及啓発を促進する事業を行い、障がい者福祉の向上のための活動を行なっています。

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