朝日新聞より転載
スタジオジブリの世界観を表現した「ジブリパーク」がある愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)で、運行を始めた映画「となりのトトロ」に登場するネコバスをイメージした車両に、盲導犬を連れた利用者が断られて乗車できなかったことが16日、わかった。公園を管理する県は、不適切だったとして運用を改めた。
この車両は、ジブリパークが全面オープンした3月16日に運行を開始。3列シートの6人乗りで、2列目を折りたためば車いすの人も利用できる。パークの「もののけの里」と「どんどこ森」の二つのエリア間の外周通路約1.9キロを10分ほどかけて走る「公園施設」との位置づけで、公共交通機関ではない。
県によると、運行初日に盲導犬を連れた利用者から乗車の申し出があったが、現地スタッフが側面に囲いがなく犬が飛び出す危険があると判断し、断ったという。苦情を受け、運行する事業者が福祉関係者に確認したところ、訓練された盲導犬が走行中に飛び降りることはないとの回答を得たため、同月29日から受け入れることにした。
身体障害者補助犬法は、公共交通機関や不特定多数が利用する施設に盲導犬などの補助犬の同伴を受け入れるよう義務づけている。
県は「移動そのものを楽しむアトラクション」として法的に問題ないとの立場だが、大村秀章知事は16日の会見で「すべての方に楽しんでもらうのは当然。大変申しわけない」と陳謝した。
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